オピニオン
2018年4月10日
三品経
『法華経』は全28章から成り立つ物語です。そこには難解な教理を説き示すことよりも、お釈迦さまと私たちの必然的な関係性を明かし、私たちに注がれる釈尊の思い=大慈悲を明かすことに重点がおかれ、展開されているように思います。
第2章「方便品」では、釈尊が出現される由来そして「誰でも成仏できる」ということが明かされ、第16章「如来寿量品」では、永遠不滅のみ仏が「いつでも、どこでも救います」ということが明かされます。つまり、この2章で「誰でも(仲間)、いつでも(時間)、どこでも(空間)、救われる」ということが明確にされたのです。第21章「如来神力品」では、末法という時代に上行菩薩=日蓮聖人が、み仏の「使い人」として登場し先のことを教え、お題目「南無妙法蓮華経」を唱える信仰を布教されることが明かされます。
この3章が古来「三品経」と称され、特に大切にされる由縁です。
(大阪市布教・師会長村尾泰孝)