オピニオン
2017年12月20日
「烏」のプラス一手間
烏は保護鳥であるらしいが、どちらかといえば「嫌われ者」である。ただ、子育ては他の動物たちに劣らない。童謡「七つの子」がある所以か? その烏が子育てをしている頃の話である。我が家には殺処分を免れた犬猫が多頭いる。私は毎朝夕に彼らの食べ残しの餌をスズメたちにあげているのだが、次第に烏の方が上前をはねるようになった。ただ、嘴一杯に餌を頬張ると一目散に飛び去って行く。子烏に運んでいるのだ。そのうちに子烏も巣立ちをして親烏に付いてくるようになったが、まだ自分で餌を啄むことはできない。翼を広げ「カアカア」と嘴を大きく開けて餌をねだる。とその時私は驚きの光景を目の当たりにした。粒状の餌を頬張った親烏はそれをそのまま子に与えずに一旦猫の水飲み場迄行き、その口一杯に水を含み、それを子烏に与えるのだ。脱帽、合掌。子烏が餌を喉に閊えないように「慈愛の一手間」プラス。ありがとうカアちゃん。「常住此説法」
(新潟県東部布教師会長・眞島文雄)