2017年12月10日
日蓮聖人降誕八百年中部教区記念大会
中部教区(石垣一鳳教区長)の日蓮聖人降誕八百年記念大会が11月26日、愛知県名古屋市の日本特殊陶業市民会館で開催され、僧侶檀信徒約1200人が日蓮聖人の降誕をお祝いした。国内の教区記念大会は9月の山静教区に続き2回目となり、2021年2月16日に迎えるご正当に向けて、祝賀の気運がさらに高まってきた。
初のホール開催となった教区大会は、照明やスクリーンへの映像投影など舞台装置効果がふんだんに用いられた。講談師の一龍斎貞鏡師がスモッグのなかから舞台中央に登場し、講談「日蓮聖人御一代記~御誕生から立教開宗~」を披露。貞鏡師の力強い声色と身を乗り出した臨場感ある話芸に、会場は一気に八百年前に引き戻された。
立正安国・世界平和を祈念する修法(修法導師=玉森潮慎師)後、内野日総管長猊下を大導師にお迎えし、慶讃音楽大法要が営まれた。僧侶の美しい声明で降誕を寿ぐ法要に、参加者はお題目で報恩感謝を捧げた。また未来の日蓮宗を担う宗門子弟らがご宝前で献灯献華を行った後、客席通路で散華を供養すると頼もしくも一生懸命なかわいい姿に、会場は温かい空気に包まれた。
内野管長猊下は慶讃文で参加者とともにご降誕を慶ばれた後、続くご親教では教区内に残る日蓮聖人の足跡や日蓮宗の歴史に思いを馳せるとともに、「ここにご参列の皆さまは、堅固な信心を持たれる方々であり、次の世代に法の灯を伝える方々」と未来へお題目の信仰をつなげる役割があることを示された。
ほか、豊田慈證師(愛知県法華寺住職)の講演や、加藤要瑞師(長野県原立寺住職)の唱題行などが行われた。最後に石垣教区長が「お題目の教えを弘めることが、世界を幸せにすると改めて感じた大会」と挨拶し、盛況の内に幕を閉じた。
大会実行委員会の服部巧顕事務局長は「来て良かったと思ってもらえる大会にしようと準備をしてきた。持ち帰ってもらいたいのは法悦」と述べ、参列した愛知県名古屋の奥田智一檀信徒協議会長は「感動しました。この感動を檀信徒それぞれが持ち帰ることで、菩提寺での八百年事業にいかしてほしい」と期待を寄せた。
ホールでの今大会は、荘厳された神聖なお堂に近づけるため、八百年前のご聖日をイメージしやすい多彩な舞台演出と表現が行われた。異体同心となった会場の参加者はまさしく内野管長猊下のご親教通りに「この慶びを子どもに伝え、お題目信仰を受け渡したい」と語っていた。また会場案内などを檀信徒協議会が担当し、僧侶檀信徒一体となって円成させるという力強い思いが感じられた。