鬼面仏心

2017年10月20日号

あれ、この道でいいのかな。そんな思いが頭の

あれ、この道でいいのかな。そんな思いが頭のすみを横切った▼信州の広大な高原を、同宿していた学生仲間を案内して歩いていた。晴れていた空がにわかにかき曇り、小雨が降り出してくる中、一時も早く下山しようと道を急ぐが、霧がかかり先が見通せない。もうそろそろ馴染みのある風景が見えるはずなのに、一向にたどり着けない▼ただ一人私だけが道を知っているということで案内役を買って出たのだが、どこかで道を間違ったのか。でも後ろから着いてくる仲間に、今さら引き返そうなんてとても言えない。なんて頼りないヤツだとさげすまれるだけだ。この道でいいんだ、と自分に言い聞かせて、霧をかき分けるように黙々と歩み続けた▼結局はもと来た道を引き返し事なきを得たが、決断を下すまでの間、雨の中を震えながら歩いた時間と距離は短くはなかった。無事に戻れたのは奇蹟というしかなかった▼誤謬というものは早く気付き早く正せば実害は少ない。しかし体面を気にしたり、まだ取り戻すことができると胸算用したりするうちに深みにはまって身動きとれなくなるのが凡夫の世界だ▼宗祖は、汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実成の一善に帰せよと説かれるが、政治も自然も大きな変化を見せる今、この世界が誤った道に陥らぬよう先ずは私たち一人一人が、速やかに心のリセットができるよう心がけておきたい。(直)

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2017年10月10日号

パワースポットとして神社仏閣を訪れる若い人

パワースポットとして神社仏閣を訪れる若い人が、シニアを凌ぐほどだという。さらに加えて若者の中にも御朱印を集める人も多い。御朱印がちょっとしたブームになっているようだ。先日拙寺を会場に護法大会が行われた時も,たくさんの檀信徒の御首題帳を書かせて頂いた▼御首題帳と御朱印帳とは違うことを御存じだろうか。御首題帳は日蓮宗寺院に限り、御朱印帳は他宗寺院、神社など混在しても構わない。日蓮宗徒はできれば2種類支度してほしい。日蓮宗寺院では御首題帳には「七字のお題目」が書かれ、御朱印帳には御朱印のみか、「妙法」と書かれている。御首題帳は単なるスタンプ帳ではないのだ▼本紙のコラム「千か寺参りへいこう」の影響からか、千箇寺参りを志したり、御首題を求める人が増えている▼千箇寺参り、千箇寺詣は江戸時代からある日蓮宗の修行の一つ。やり遂げた人は「センンガジさん」と呼ばれ、千箇寺成就の題目塔を寺の境内に建立したりした。また病気平癒を祈る祈祷をする人がいたり、金品が供養されたりする様子が江戸時代の資料にみられる。(『法華信仰のかたち』望月真澄著)▼後日御首題の墨痕を見るとき、書き手の気持ちと受け手の思いがそこに込められているように感じる。その満足感は何物にも代えがたい。それこそが決して崩れることのない自分だけのお題目塔、宝塔なのだ。(汲)

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2017年10月1日号

今年も秋の交通安全週間が9月21日

今年も秋の交通安全週間が9月21日から30日まで実施された。一時のような死亡率は低下したようだが、未だに交通事故による死者やけが人があとを絶たない。 つい先日も近くの4車線道路で横断歩道を渡っていなかった老人が車にはねられ、救急隊員が心臓マッサージを施しているところを目撃したばかりだ▼歩く人も車を運転する人もまさか自分が事故に遭うとはその瞬間まで思わないに違いない。しかし、それこそが事故に遭う要因かもしれない。危険はいつも身の回りにあるという心構えを持ち、ルールを守るという基本を守っていれば事故はかなり防げるはずだ▼多くの僧侶がそうであるように、小生も檀家への回向や盆の棚経、枕経、通夜などに車を使う。当然、和装での運転になるから草履を履く。これがなかなか危険だ。畳の草履は滑りやすくて運転向きではない。 手首に数珠をかけたまま運転していて数珠がシフトレバーに絡んで怖い思いをしたこともある。事故を起こした車から坊さんが出てきたのではどうにも具合が悪い▼今年初め、免許証の書き換えに行ったら、視力が落ちていて、5年後はもう更新できないだろうと言われた。5年後には73歳になっている。目が見えていてもそろそろ危険な年齢にさしかかる頃だ。その時には潔く免許証を返納しようと決めた。48年間続いてきた無事故無違反に傷をつけたくない。なにより、この身体の中には仏さまがおわすのだから。 (寮)

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