オピニオン
2017年8月20日
命を感じる
一雨ごとに容赦なく伸びる畑の中の雑草。野菜を生かすために抜き取られ、コンポーザーに入れられ不要な糞尿と混ぜられて時を待つ。やがて不要な存在だった雑草も糞尿も土に帰り肥料となって戻ってくる。もしも、心の中の怒り・悲しみ・許せない心を手放して、神仏という名のコンポーザーに入れてみたらどうなるだろうか? 幸せに生まれ変わって戻ってくるのだろうか?
きっと闇の深さの分だけ、より深く心の中の奥深くに潜む本当の自分に道を開くことになりはしないか?
丁寧に心の雑草を抜き取って、野菜(本当の自分)の声に耳をすます。大地に根を下ろし、天に育まれ、呼吸が深くなると、静かな呼吸の奥底に響く生命の意志の声が聞こえてくる。「早く早く」と促される日常に、いつも考えている思考をを止め、じっくりと静かに心に耳を傾けると、確かに私の中に大生命の存在を感じることができる。
(山梨2部布教師会長・功刀貞行)