2017年5月20日
青森 第5回震災遺児支援チャリティーコンサート
【青森】つがる市実相寺(間宮康文住職)において、5月20日実相寺本堂を会場に第5回震災遺児支援チャリティーコンサートが開催され青森県日蓮宗雅楽会(渡辺貫誠会長)と青森県立木造高校吹奏楽部が出演した。
雅楽会は「越殿楽」、「ジュピター」など5曲を演奏。木造高校吹奏楽部は「前前前世」、「花は咲く」、「テキーラ」など10曲を演奏し来場者200人を喜ばせた。
このコンサートは東日本大震災で被災され、親を亡くし大変な状況にある震災遺児に対して寺院として何か出来る事はないかという事がきっかけで生まれたコンサートである。
開催当時、寺院でのコンサート開催にあたり主催者である実相寺チャリティーイベント実行委員会(実相寺副住職間宮秀文代表)が心掛けていたのが人と人とのつながり、そして地域との連携を大事にすることだったそう。
例えば寺院の年間行事の様に檀信徒に手伝ってもらえば開催は可能ではあったが、もっと広くその意義を知っていただく為に、そして寺院が開かれた場所であると知っていただく為に周囲を巻き込むことが必要だと考えたためだ。
そのため、檀信徒も含めた地域の方と一緒に会場設営の準備をしたり、課題克服の為に意見を伺いに行くなど連携をとることで新しいご縁がお寺と地域との間に生まれていく事を感じることができたとのこと。
また、コンサートの受付や案内などのスタッフは出演する高校生にお願いし担当して頂いている。笑顔で来場者を迎える高校生の応対に来場者は「イキイキしていて、いつも元気をもらう」と話す。このコンサートがきっかけで普段関わりの少ない高校生と地域が交わる縁づくりの場所としても寺院が機能しているようだ。
間宮代表は「震災遺児支援を続けて呼びかけることで遺児が困難を乗り越える事につなげていきたい。そして、このコンサートの終演後には必ずお話をして震災支援や誰かのために尽くすことの意義を伝えている。日蓮宗でない方ももちろん来場するが、法華経の精神を経文の一偈一句を用いなくても分かりやすい言葉で伝えることで誰でもが命や他者に対して敬いの心を持っていただけるような心の成長ができる場にしたい。」と話す。
終演後のアンケートには「自分に親がいる事が当たり前だと思っていた。感謝の心を忘れないようにしたい。」
「震災で亡くなった方の分まで、自分がちゃんと生きなければと思った」などの声が書かれていた。
このコンサートの収益は、「あしなが震災遺児支援基金」に累計581471円寄付されている。