オピニオン
2017年5月10日
名前の重み
本名・萩原寛さんは15歳で鳴戸部屋に入門して親方から四股名・稀勢の里をいただき、精進を重ねついに力士の最高位・横綱に上りました。
ところで、最近法号(戒名)無しのお葬式が散見されます。「親からもらった名前があるのだから法号などいらない」ということのようですが、「成仏して欲しい」という思いはあるのです。
法号などいらない、という方の理論を相撲道に当てはめてみると「四股名などいらない。本名で横綱を目指す」ということです。つまり相撲部屋に入らず、師匠にもつかずに「横綱になる!」ということで、誰が考えても無理な話です。仏道の法号は相撲道の四股名と考えれば、成仏を目指すには法号は必要なのです。
名前はとても重いものです。もちろん、名前だけあっても中身がなければそれこそ名折れ。お祖師さまの弟子を自認するならば、名折れとならぬよう相応しい振る舞いを心がけたいものです。
(神奈川3部布教師会長・上谷泰雅)