ひとくち説法
2017年4月20日号
いのち川柳
この頃のマイブーム、いのち川柳。
上の句「い」、中が「の」、下が「ち」を入れた、いのちに合掌にちなんだいのち川柳です。
頂いて のの様のかね チーンとなり
お客さまからお土産にいただいた菓子が欲しいので、すぐ開けてと幼子が、親におねだりします。でも、まだ開けてはだめよ。仏壇にお供えして、おりんをチーンと鳴らして、合掌して、のの様(仏さま、ご先祖さま)に報告してからと教えられます。
次に「組織で動く」について
いい仕事 能率上げる チーム力
職場でも、どこでも自分1人では何もできません。優秀な人がたくさん集まっても、皆のこころがバラバラでは仕事ははかどらず、成果が期待できません。少数でもみんなで力を合わせることで、組織の動きは良くなるものです。(神奈川1部布教師会長・鈴木浄元)
2017年4月10日号
五感で知る幸せ
東京医科歯科大学病院の玄関にピアノが置いてあります。そのそばに紀元前5世紀にギリシャに生まれたヒポクラテスの銅像があり「人命を断つべき毒物の投與は何人の望みによるも断じてこれをなさず」の宣誓文が記されています。この誓いはいのちと向き合う医師の倫理を示します。
法華経ではいのちの象徴として五感【視・聴・嗅・味・触】を大切にします。法師功徳品では六根【眼・耳・鼻・舌・身・意】を荘厳することで、すべてが清浄になると説きます。六根のどの1つが欠けても生活に支障をきたすといわれます。
宗祖は晩年9ヵ年間を身延山で修行され、「吹く風もゆるぐ木草も流れる水の音までも」と身延山を釈迦牟尼仏の聖地・霊鷲山に喩えて、自然の恵みのありがたさを示されました。身延山は枝垂れ桜の季節です。それを六根すべてで味わって下さい。その瞬間、みなさんの五感は自然のピアノが奏でる幸せと感謝を感じ取ることでしょう。
(東京都北部布教師会長・土田恵敬)
2017年4月1日号
温もりのある葬儀
昨今の葬儀事情…近所の人にも友人にも知らせない、いわゆる家族葬が増えてきたようだ。火葬場に直行する直葬という言葉さえ耳にする。何とも嘆かわしい限り。遺された者が故人の冥福を祈り、生前中の交誼に対して感謝を申し上げ、心にけじめをつけるのが葬儀ではなかったか。
先日、高校の同級生M君の母親が入院先の病院で亡くなった。彼女は10年ほど前まで、先に旅立ったご主人と居酒屋を営んでいた。10人も入れば満席になる小さなお店。我々が若い頃は、週末の憩いの場であった。彼女は入院中、「家に帰りたい」と何度も訴えたという。M君はお通夜までの3日間、自宅で寝かせ供養した。そして葬儀当日、親類や友人、我々同級生仲間を含むかつての常連客が集まった。回向が終わり、棺に花を手向けながら、「美味しいものを有り難う」「本当にお世話になりました」などと口々に話しかけ、最後のお別れをした。温もりのある葬儀だった。
(神奈川2部布教師会長・瀧川真弘)