2017年3月20日号
東日本大震災、第7回忌迎える
東日本大震災から6年。大地震が発生した3月11日には、大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県だけでなく、全国各地の日蓮宗寺院・教会・結社で殉難者への鎮魂のお題目と祈りが捧げられた。
檀信徒164人が犠牲になった岩手県大槌町蓮乗寺(木藤養顕住職)では、東日本大震災殉難之霊第7回忌慰霊法要が営まれ、檀信徒ら約120人が参列した。法要後には、多くの檀信徒らが隣接する墓地を詣で、香華を手向け合掌した。
犠牲になった親の墓参に来た40代の女性は、「前向きになれたような、なりきれてないような感じ。震災後はずっと【あの地震がなければ…】といった思考回路から離れられなかった。いつの日か【あの地震があったけど…】と話せる日が来るといいのですけど」と話す。
大槌町ではかさ上げと整地がすみ、建築許可がおりつつあるが、建築が進んでいる状況にはない。墓地の高台の斜面から町を見下ろせば、そこには厳しい現実が広がっているのも事実だ。「震災で後継者を亡くし、家を建て替える気力をなくした人。経済的な理由であきらめた人などさまざま。まだまだ時間がかかりそう。生活再建がなったとしても、震災で人生が狂わされてことは確か。この震災に終わりはないのだと実感します。手を合わせて唱題することで、1日1日を大切にすることの気づきになってくれればと思います」と木藤住職は話す。
地震発生の午後2時46分には、本堂前で木藤住職を導師に和讃講の会員が読経と唱題を行った。法要後も寺に居残った檀信徒はそれぞれの墓前でこの時を迎え、海の方角に向かい手を合わせていた。
また午後6時からは、大槌町と釜石市では地元仏教会がすべての犠牲者の名前を記したものを含め約2千5百基の灯籠を海と川に流して、回向を行った。