2017年3月10日
娘と近所の公園に行くと、小学生が野球を
娘と近所の公園に行くと、小学生が野球をして遊んでいた。私たちが砂場に向かうと、近くにいたおじさんが「そこの君たちー! 小さい子が来たから野球はやめなさーい!」と一声。「あ、は~い」小学生たちは野球道具をしまうと、やがて鬼ごっこを始めた▼私はありがたいような、申し訳ないような思いで、小学生とおじさんに会釈をした。それにしてもあまりに自然な声かけに驚いた。その後の小学生の様子を見ても後腐れがない。皆が気持ちよく遊べるように…と、愛情から出た言葉には苛立ちも刺もなく、小学生の心にすっと届いたのだろう▼最近公園に行くと、禁止事項が書かれた看板がやたらと目につく。「自転車乗り入れ禁止」「ボール遊び禁止」などなど。看板からは「皆が楽しく遊んでほしい」というより「この公園で問題をおこさないで…」という悲痛な声が聞こえてくるようだ。あらゆることを禁止にすれば問題は起こらないが、そこに学びはない。いつどうやって遊ぶのか、相手を思いやることや距離感は経験からしか学べない。看板からは学べないのだ▼社会の宝、子どもを育てるのは親だけではない。将来たくさんの花を咲かせるためにも、今こそ愛情を持った種まきをしなければ。周囲を思いやり、慈悲の心をさまの声。私たち一人ひとりが菩薩さまになれることを忘れずに実践していきたい。 (蛙)