2017年3月1日号
日蓮宗加行所成満会
千葉県市川市大本山中山法華経寺(新井日湛貫首)に開設されていた修法を相承するための日蓮宗加行所(伝主=新井貫首、工藤堯幸伝師)が100日間の苦修錬行をおさめ2月10日に成満会が営まれた。出行した僧侶129人が布教の一翼を担う修法師として、日蓮聖人の願い「立正安国」へ向けて新たな一歩を踏み出した。
当日未明、福岡県久留米市妙善寺住職の德永前啓師を待つ、檀徒の緒方寿之さん(77)は、「自身の修行だけではなく初行代表の大役を務め大変だったと思うが、檀徒として誇らしく思う。帰山式では心待ちにしている檀信徒全員で迎えたい」と語り、德永師の活躍を期待した。成満会では、加行僧が大音声の読経を祖師堂に響かせた後、報恩感謝を込め修法を行うと、檀信徒は頭を垂れ、静かに合掌した。
初行を成満した佐藤惠悟師(茨城県恵雲寺内)は、「心が弱いところがある自分を支えたのは寺族と檀信徒の存在。そしてもう1つは先輩から掛けられた〝負けるなよ〟という言葉だった。だから1日1日に必死にくらいついた結果が百日につながった。修法は大切な布教方法。多くの人たちを救い、法華経の素晴らしさを伝え立正安国につなげたい」と決意を語った。