鬼面仏心

2017年2月20日号

山に入って竹を切り取ってくる。ただそれだけ

山に入って竹を切り取ってくる。ただそれだけのことなのだが、翌日に手や足の筋肉に変調を感じる。指の関節や腕の筋肉痛はノコギリを使ったためで、足腰の痛みは、山の中を歩き回ったためのものだろう。日頃の怠惰な生活ぶりが悔やまれるが、やはり歳には勝てないということなのか▼年寄りの冷や水とか、分相応などという言葉が頭をよぎる。これは自らの力を知って、過信や高望みをしないようにとの警句にもなっている。できもしないことを背伸びしてやっても、却って失敗したり他人に迷惑をかけてしまうということは間々ある▼車に乗り始めたある雪の日、歩いて行きますからと断っている人を、どうせ同じ方向だからどうぞと無理矢理車に乗せたところ、脱輪して倍の時間をかけてしまった苦い経験がある。分をわきまえるということは、大切な人生訓の一つとして今も脳裏にある▼しかしこれとは逆に、持てる者が力に応じて社会貢献することも大切なことである。できることを社会に生かすということは、社会の進歩発展に寄与することであり、社会人としての努めでもある。一切衆生の救済を願う仏の説き給う法華経の精神もまさにここにある▼国際政治の場において、他国の世話まで何故しなくてはならないのか、などの発言が力を持てる国から出てくる現状は、世界の将来を大いに危惧させるものと言わざるを得ない。 (直)

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2017年2月10日号

寒い季節にはお風呂が一番だ。

寒い季節にはお風呂が一番だ。数を減らしている銭湯がいま外国人に人気を呼んでいる。江戸時代の銭湯では、「田舎者でござい」「冷えもんでござい」など、声を掛けて人の迷惑にならないようにしたという。「体が冷えておりますので、間違って触れたらお許しください」「冷えた体で湯船に入りますので、湯の温度が下がったら御免なさい」ということだという。人への気遣いが粋に伝わってくる▼立川志の輔さんの高座で、お客さんが来るので饅頭を20個買ってくるように子どもが頼まれた。行ったお菓子屋には丁度20個の饅頭があった。主人の「よかったな。今日はもうあとは作らないよ」との言葉にその子は、「間違えた」といって18個だけ買った。話を聞いた母親は「いいことしたね」と褒めた、という話を聞いた。これは実際あった友だちの話だ。次に来たお客がせめて2個だけでも買えるようにという、子どもとはいえ粋な計らいである▼粋とは混じりがない美意識のことで、自分の損得は勘定に入れない気前、気概の意味を持つ意気に通ずる▼こんなイキな心を育んだのは家庭での教育の力だ。この母子は日頃どんな話をしているのだろうか。家族は多いのだろうか。きっと仏壇があり、食事の時「いただきます」と合掌しているのだろうか。などとつい考えてしまう。おっと、そんな詮索はヤボというものですな。     (汲)

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2017年2月1日号

我が家の情報源は3つある。

我が家の情報源は3つある。1つは全国紙で、世界と国内の情報を広く得るため。次は地方紙。身近な社会の動きを詳細に知ることができる。そして3つ目が日蓮宗新聞。宗門内の動きがよくわかる▼テレビは映像があってわかりやすいが、ニュースの時刻にならないと報道しない上に、1日に合計で1時間ほどしか割り当てられる時間はない。芸能ニュースの方が多いのに違和感があるのは年齢のせいか▼最近はこれにインターネットが加わった。印刷の締め切りがないからニュースが早い。しかも一般人からの投稿サイトなどもあるから内容は多種多様だ。が、その出所については曖昧だ。読む人が自身の知識と照らし合わせる注意が必要だ▼かつて、バングラデシュで大きなサイクロンが上陸して10万人が犠牲になったと報じられた。しかも当時活動の拠点であったチッタゴンという町の名が出ていた。大急ぎで現地に飛んだが、何ごともなかったような落ち着きぶりだった。聞けば、サイクロンは毎月のように上陸し、その都度5千人ほどが犠牲になっているというのだ。今回は10万人だから来たのかと笑われた▼新聞が嘘を書いたのではない。5千人の犠牲は日常のことだから記事にしなかっただけだ。事実ではあったが、真実の一部でしかなかった。真の情報は、常にアンテナを高くしておき、さらに自らの知恵で選択しなければ得られない。 (寮)

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