オピニオン

2017年2月10日

高齢者、75歳から

■はじめに
一般的に65歳以上とされている高齢者の定義について、高齢問題の研究者らでつくる日本老年学会と日本老年医学会は1月5日、75歳以上とすべきだとする提言を発表した。65~74歳は「心身とも元気な人が多く、高齢者とするのは時代に合わない」として、新たに「准高齢者」と位置づけられた。
■高齢ドライバー
同9日付け朝日新聞「ひととき」欄に73歳の主婦の「駐車場で染みた親切」という一文が掲載されていた。そこに運転にまごついたために周囲に迷惑を掛けてしまった自身の体験が綴られていたが、この一文は「近頃、高齢ドライバーは肩身が狭い」で始まる。
機械で料金を精算する市営の駐車場を出ようとしたところ、財布には機械では使えない5千円札しかなかったというのだ。あわててバックしようと思ったが、すでに後続車が後ろに。結局、後ろの人に事情を話してお金を借りて精算。
優しく手を差し伸べてくれた女性は熱を出した子どもを保育園に迎えに行くため急いでいたようだ。筆記用具を持っていなかったので、連絡先を聞くこともできず借金も返せず。後日お礼を言うこともできない。支払い用の千円札を用意し忘れたこと、その後の混乱した対応を反省しているが、高齢に起因することなのだろうか。
■准高齢者
65~74歳は、今までは「前期高齢者」とされていた。仕事やボランティアなど社会に参加しながら、病気の予防に取り組み高齢期に備えるという意味で、これからは「准高齢者」に区分、単に社会に支えられる側から、支える側面も捉え直すことで、明るく活力ある高齢化社会づくりにつながるとしている。
一方、現在、日本の平均寿命は83・7歳。世界保健機関(WHO)によると、世界全体の平均寿命は71・4歳で、日本は20年以上連続で世界首位を保っているという。
でも日本人の自殺率は先進国の中では最高で、高齢者のそれは一段高いとも発表されていて考えさせられる。
■後期高齢者
昨年の総務省の推計によると、65歳以上は約3400万人で人口の約27%。高齢者を75歳以上とした場合は約13%とその半分になるという。
日本の国勢調査ではかつて、60歳以上を「老年人口」としていたが、昭和40年(1965)以降は65歳以上となった。いわゆる老人の人口増は基礎年金の支給開始年齢原則65歳や、介護保険のサービス65歳以上などの社会保障制度にも大きく影響を及ぼしている。
ともあれ、私もこの2月20日で満77歳の喜寿。後期高齢者医療制度の対象者である。女優の八千草薫さん(85)の昔からのファンだが、彼女の座右の銘「いつも楽しく、どんなことも楽しく!」をこれからのモットーとしたい。
(論説委員・星光喩)

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