2017年1月10日号
身延山でトレイルラン開催
山梨県身延山を駆けるトレイルランニング・修行走が11月27日に開催された。23日から24日にかけて関東甲信での降雪により、急遽大会内容が変更となったが、当日は男女504人が参加し、信仰のお山の魅力に触れた。
トレイルランニングは、体力だけではなく未舗装の山野を走るため、バランスを取る技術などが要求される競技。身延山での同競技は4年前に始まり、600人の出場枠が3時間で埋まるほど人気だ。今回は門前町を出発し、七面山敬慎院を通過し戻る「七面昇龍ロングコース」と奥之院思親閣を通過し戻る「思親報恩ショートコース」が設定されたが、降雪の影響で思親閣まで一気に駆け上がる内容に変更となった。
この修行走を企画した身延町武井坊の小松祐嗣師は、「今大会に先立ち、走るのではなく歩いて1泊2日で七面山を参拝する企画を行った。参加者のなかには、以前の大会に参加して〝もっとゆっくりお山に触れて見たい〟という人もいて、ご来光に自然と合掌する姿が印象的だった」と語る。大会がきっかけで改めて参拝に来る人や、参加者が身延山の魅力を周囲の人に伝えてくれているという。
当日には身延山門前町の女将からなる恵風会(望月敦古会長)約30人が800人分の豚汁でおもてなしするなど、町一体となって開かれているほか、前夜祭でも地域の特産品販売が行われるなど盛り上がった。
初参加の1人は、「スタート地点の大きな三門を見て思わず声が出てから、ずっとこの日蓮宗が大事にしてきた山を感じながら走った。コースはまさしく〝修行〟だったが、ありがたい気持ちでいっぱいでした」と笑顔を見せた。小松師は「本来の目的は仏教、法華経、お題目を知ってもらうこと。今後は前日に身延山内の参拝を企画するなど、もっとイベントを開きたい。その先に私たち僧侶の役割がある」と語った。