2016年11月10日
ランドセルに定期券をぶら下げてバス通学
ランドセルに定期券をぶら下げてバス通学をしている娘。遠足の翌日、リュックからランドセルへ定期券の付け替えを忘れて出掛けてしまった。バスの中で気付いた娘は、オロオロ。すると見知らぬ女性が心配して声をかけてくれたという。そしてバス代を立て替えてくれたというのだ。しかも手持ちの小銭がなかったらしく、わざわざ両替をしてまで。おかげで娘は無事にバスを降りることができた▼バス代はもちろんのこと、「大丈夫」と向けてくれた笑顔に娘がどれだけ救われたか知れない。不安でいっぱいだった娘に声をかけてくれたのはまさに菩薩さまだろう。そして助けられた娘の心には、人を思いやる慈悲の種がそっと根付いたはずだ▼何気ない毎日でも、私たちはたくさんの種を頂いて生きている。行き詰まった時の励ましの声、さりげない「元気?」の一言。名前も知らない誰かの笑顔。そんな皆への恩返しは、頂いた種を配ること。娘もいつか誰かに慈悲の種を分けてあげられる日がくることだろう▼さてそれから毎朝、110円と手紙を持ってバスに乗るが不思議なほど会えないでいる。「会えないことにも意味があるのかもしれませんね」と担任の先生。すぐ会えると思っていたが、めったに巡り会えない…そんな人に助けて頂いたということだ。「今日こそ会えるよ♪」と送りだす。願い続けていればきっとまた出会えるはずだ。(蛙)