2016年10月20日
山梨4 NPO法人「フードバンク山梨」に食料を寄付
【山梨4】10月20日、山梨県第四部宗務所の寺庭婦人会(会長・甲府市常光寺寺庭婦人 齋藤 房子氏) と社教会(会長・甲府市圓妙寺住職加賀美 晃正師)が、NPO法人「フードバンク山梨」に食料を寄付した。この食料は寺庭婦人会の呼びかけで集められたもので、それを社教会の支援を受けて、フードバンク山梨に直接提供された。両会は過去にも同様の活動を行ってきた。
フードバンク山梨が行う事業は、家庭にある食べきれない食料や、企業が持つ容器の破損があって商品にならない食料等、様々な理由で廃棄されてしまうが問題なく食べることの出来る食料を集め、主に貧困などの理由で満足な食事を摂ることが出来ない人に、個別の事情に応じてその食料を分配するというもので、「もったいないをありがとうに変える」という理念に基づいている。今回の社教会と寺庭婦人会の活動は、この事業への協力として実施された。
フードバンク山梨理事長の米山 けい子氏によると、この事業は米山氏が自宅で始めたボランティア活動が基礎となっていて、そこからNPO法人格を取得して現在に至るという。米山氏は「貧困の中にいる人は自分の状況に気付かず、裕福な人はそうした状態の人がいるということに気付いていない」と現状を見ており、特に子供についてそれが当てはまるという。そのため、学校と連携した食料支援や、長期休暇中の子供を対象とした支援活動なども行っているという。
フードバンクは、元はアメリカで始まった活動で、約五十年の歴史があり、活動を支える法律や文化が存在している。日本でも全国に同様の活動を行うNPO法人や団体があり、広まってきているが、本国と比べると事業を支える体制が十分には整備されていないのが現状だという。
また、フードバンク山梨の活動を支援する企業や個人は増加しているが、それでも十分に認識・理解されているとは言えないという。それには様々な理由が考えられるが、その一つが「寄付」という文化がそれほど広まっていないところにあるという。また、食料を寄付する側にも、同じ規格のものを十分に分配できる程度の数量で、と考えてしまい支援を思いとどまってしまうことがあるようだが、個別の事情に合わせた食糧支援のためには様々な種類の食料が必要であり、賞味期限以外は心配する必要はないという。さらに、食糧支援を受ける側にも、支援を受けていることを知られたくないと受給を躊躇してしまうことがあり、近隣の人などには知られずに食料を受け取れるよう配慮しているという。
寺庭婦人会と社教会は今後もこの事業への協力を継続していくとのことだが、こうした仏教界の活動を通じて、フードバンクという活動への理解が深まり、やがてはあるのが当然の文化となれば、と米山氏は今後の展望を語っていた。