2016年9月27日
高知 四国初・日蓮宗声明師養成講習所
【高知】平成28年度日蓮宗声明師養成講習所が9月27日から10月3日までの7日間、高知市妙國寺(渡邊泰秀宗務所長自坊)で開かれ、声明師を目指す僧侶34名が研鑚を積んだ。
この講習所は『日蓮宗宗定法要式』初版刊行の翌年、昭和27年9月に静岡県本山蓮永寺で、第1回が開催されて以来、今年で58回を数える。
受講生は開催期間中、宗定法要式の理念や声明の実唱・坐作進退ざさしんたい・式具作法しきぐさほうなどや法要儀式全般にわたって研鑚を積み、声明師任命を受けた者は全国各宗務所管区全僧侶に普及徹底させるために働くという任務を担っている。
受講生たちは所作や声明について、主任講師の上田尚教師(京都府護国寺住職)はじめ講師陣から細かく指導を受けながら「習礼(しゅうらい)」の習得に明け暮れる。夕食後は各班に分かれて昼間できなかった箇所の練習が続く。
30日には「声明業先師報恩法要(しょうみょうごうせんしほうおんほうよう)」が主任講師を導師、講師の蓮見高純師(千葉県實相院住職)・濱田壽教師(広島県常国寺住職)を副導師、首座はじめ諸役を助講の大原廣昭師(愛知県光耀寺住職)・遠藤龍潤師(新潟県妙教寺内)・河崎俊宏師(石川県妙相寺住職)、式衆に2回生が出仕して営まれ、修了日の3日には閉講式に先立ち「模範法要」が会場寺院である妙國寺渡邊泰秀師を導師に受講生全員が出仕して営まれ、熊本震災で亡くなった方々の回向がなされ多数の檀信徒が手を合わせた。
閉講式では妙國寺渡邊泰秀師が「声明師として法要一座に対する思い、この一週間で学んだ事を無駄にすることなく日々精進して下さい」日蓮宗宗務院の柘植教務部長が「声明師養成講習所を修了された受講生が最前線で活躍されることを祈念致します」と激励。最後に上田主任講師が「皆さんは声明師として第一歩を踏み出しました。これからも弛まず研鑽を積んで下さい」と語った。
最後に受講生を代表して2回生高平妙心師(東京都妙楽結社教導)が「一週間ご指導ご鞭撻頂いた先生方に厚く御礼申し上げ、僧侶としての振る舞い、道筋をつけて頂きありがとうございました」と謝辞。
受講生は講習所での研鑽を糧に、宗門興隆(しゅうもんこうりゅう)の一翼を担うべく、それぞれの自坊へと戻っていった。