2016年9月20日
政治学者のサミュエル・ハンチントンは
政治学者のサミュエル・ハンチントンは「21世紀は文明が衝突する世紀」と予言した。まさにその言葉通りに世界の各地で悲惨なテロや紛争が起きている。現代は個人から国のレベルまで価値観が多様化した時代だ。だから簡単に良いとか悪いとか言えない問題が多い。それを二者択一で判断しようとするところに衝突や紛争が起こるのでは▼ジャンケンにはグーとチョキの他にパーがある。パーとはイエスでもありノーでもあり、同時にイエスでもなくノーでもない、もう一つの選択肢だ。物事をグーとチョキで考えるのでなく第3の選択肢のパーを持つ。それが「中道」という仏教の考え方だ。仏教が智慧の宗教といわれる由縁である▼是非善悪の難しい問題に、どう対処すれば紛争や衝突を避けることができるか。結論を急がず、時間をかけて考え、話し合い、悩み、時には結論を保留するという判断をする能力。それが智慧だ。ハンチントンのいう「文明の衝突」は、違った価値観の異質な文明や思想を、対比させ、二者択一した時に起こる。大事なことは、それをいかに受け入れるかということ▼法華経は折伏・排他的と想われがち。しかしその法華経には、異質なものを異質なままに受け入れる開会という素晴らしい教えがある。まさにいま世界が求めている平和のための指導原理だ。法華経の開会の教えで世界中の紛争や対立をなくしたいと思う。(義)