2016年5月1日
日本人は高い受信能力を持っていると思う。
日本人は高い受信能力を持っていると思う。空気を読み、相手が言わんとすることを察する受信力は勝れている。しかし、物事をはっきりと伝えたり、反論や空気を恐れずに発言する発信力は足りないように見える。そのなかで日蓮聖人は、高い発信力を晩年まで持ち続けた稀有な存在だと私は思う▼日蓮門下たる私も、宗門運動のサブテーマ「組織で動く」に倣い、拙寺だけの「合掌してありがとう運動」を展開しようと考えている。さきがけて「合掌」というテーマで掲示板にこんな言葉を掲げてみた。「握れば拳 開けば掌 合わせれば合掌」。解説文に「混迷の時代を生きる現代人は、日蓮聖人が身を以て唱えたお題目の道を歩むことによって、不安や混乱を乗り越えていけると信じます。お題目の道は合掌によって生かされる道です。『ありがとう』と合掌・感謝して生きぬく道でもあります」と書いた▼ただ「お題目の道」と定義すると身構えてしまうため説明を要する。そこで檀信徒には法華経薬草喩品第五の「道を以て楽を受く」の文を説く。真理の道を歩くことによってこそ、本当の意味での楽しい人生を送ることができると釈した▼発信することによる説明や反論は自分を磨く材料。議論はチャンスだと思って意見交換を楽しんだほうがいい。「道」によって得る楽は無限であり、物や環境の変化によって変わるものではないと信じるからである。(雅)