オピニオン
2016年4月20日
辛いけれど
朝夕の勤行は、何十年と続けていても辛いものである。愚僧にとって夏の暑さと冬の寒さなどは当然辛いものである。しかし、唯一、春の勤行は心地よい。身も心もご宝前に供された仏花も色鮮やかに温かく勤行にいどめる季節でもある。それが、数年前からこの季節も戦いの時季となった。花粉症になったのである。やはり勤行は辛いものである。だが、こんなに辛い勤行も一心に仏さまと向き合っているうちに自然と辛くなくなっていくのである。
思えば私たちの日々の生活や人生も面倒なことや辛いことばかりではないだろうか。それを乗り越えてもまた壁が生まれてくる。
新しいことが始まるこの時期、挑戦や活動する方は、高い理想に向かって一心に続けてほしい。根気強く続けることで道が開けてくるのである。何十年と辛い勤行を続けてきて分かったことがある。いつも理想の微笑みをうかべる仏さまが私たちを見守っておられるのだ。
(大阪豊能布教師会長・服部玄朗)