2016年4月1日
最近、料理に興味が出てきた。といっても
最近、料理に興味が出てきた。といっても美食家になったというのではない。中学生になった孫の弁当を作る喜びを見つけただけのことだ▼小生が中学生の頃はアルミの大きな弁当箱にご飯とおかずが同居するというのが主流だった。女子生徒の弁当を覗いたことはないが所謂キャラ弁などというものはなかった▼それに引き替え現代の中高生たちの弁当の華やかなこと。指南書まであるという。こうなると自分の孫だけ日の丸弁当というわけにもいかず、料理に取り組むようになった次第である▼日本中で多くの親が同じことをしているのだと思うとなんだか愉快にもなるのだが、それをしてもらえない子どものことに意識が行ってしまうのは性分だ▼高校生の時、昼食の時間になるとクラスを抜け出す同級生がいた。学校の近くにおでん屋だのうどん屋だのがあってそこで昼食を摂る輩もいたので気にもしなかった。ところが、社会人になって再会した彼に聞いた話には驚いた。当時、彼の家は貧しくて弁当を作ってもらえなかったというのだ。それを同級生に知られないように昼食時にはクラスを抜け出し、校舎の屋上で水道水を飲んで飢えをしのいでいたという▼決して過去の話ではない。現代になっても、いやこういう時代だからこそ同じ思いをしている人たちは多いはずだ。周りを見回してみよう。誰もが幸せに生きたい。(寮)