オピニオン
2016年2月1日
まず唱えること
20年ほど前、師僧のお寺で修行していたときの話です。
ある日、一人の女性がお寺を訪ねて来て、玄関先でいきなり「なんでお題目がありがたいのですか? なんでお題目でなければいけないのですか?」と、問われました。
私がしどろもどろしながらも色々な言葉を用いて一生懸命に説明していたところ、途中から来た師僧がその女性に一言。
「今日から毎日30分間、1日も欠かさず、1年間唱えなさい。1年経っても分からなければまた来なさい」
1年後、その女性が再びお寺に来られ、涙ながらに「お題目のありがたさが分かりました」と、深々と頭を下げてお礼を言われました。
私は理論よりも〝まず唱えること〟の大事さを痛感し、以後、檀信徒と共に唱題の実践行に努めております。
(福井県中部布教師会長・廣橋是晃)