オピニオン

2016年1月20日

かけがえのない地球

【地球環境の変化がもたらす悪く影響】
インドのロード地区では、作物が枯れ、綿花の生産が9割も減り、生活費と借入金返済ができず自殺者が増加し、東部では、海面が上昇し、住宅が海水に侵食され、田や畑が塩害で植物が育たず、干ばつや洪水で140万人が死に直面しているという。こうした状況は温暖化が原因とされるが、地球のあちこちで起きていると伝えられる。
産業革命(18世紀半ばから19世紀にかけて起きた工場制機械工業の導入)以降、気温は0・85度上昇し、2012年、世界のCO2の排出量は、317億トン。このままでは、今世紀末までには地球の温度は5・4度も上昇するだろうと言われている。そして、気温上昇を2度未満に抑えなければ、人も動物も生きられなくなってしまうだろうと警告されている。
【地球温暖化対策の実状】
地球の温暖化が問題になってから20年。CO2の削減を議論し、具体的に数字で表した「京都議定書」が発表されてから4年。その間いくらかでも温暖化を遅らせることができたかというと、全く効果は上がっていない。
昨年暮れにパリで開催されたCOP21【国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議)では、アメリカや中国をはじめ、参加170ヵ国の代表が討議して、気温上昇を産業革命以前に比べて2度より低く抑えるという目標が明記され、さらに1・5度未満に抑えるよう努力することも示された。「京都議定書」は、一部の先進国のみが義務を負う形だったが、すべての国が参加する形にはなった。
しかし、温暖化防止策を実現するための具体策は各国に任されたままで、果たして実現可能性はどの程度あるのだろうか。罰則は設けられていない。
インドネシアやインドでは、日本の援助によって、コストの安い石炭燃料による発電所を建設するという。国内でも稼働を停止している原発に代わって石炭火力発電を拡充するそうだ。CO2の排出量を極力抑えるといのが、果たしてそううまくいくのであろうか。
【一人ひとりが努力を】
天文学者のカール・セーガンは、地球の未来を予測し、「地球は小さなこわれやすい惑星である。私たちはそれを大切にしなければならない」と警告している。
釈尊は、「本来、この世(地球)は浄土である。それを地獄にも浄土にもするのは人である。人間の心の在り方が問題なのだ」と諭された。
地球はかけがえのない存在だ。先進国も発展途上国も協力し合って守っていかなければならない。また、地球は人間だけのものでもない。動物も植物もありとあらゆる生物の住処でもあるのだ。
将来的には、太陽光や風力等を含めて温暖化対策になる技術が進化し、生活の質を落とさず大幅なCO2の削減がなされるような社会が期待されるが、私たちもそのために何ができるのかを考えていきたい。
(論説委員・石川浩徳)

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