オピニオン
2016年1月10日
「一粒の妙薬」
北里大学の大村智さんは、足下の土を根気よく採取し、微生物の中から薬を開発した。その薬はアフリカ大陸で毎年2億人以上を感染症から救った。その功績から、大村さんはノーベル賞を受賞した。
アフリカ大陸での大勢の人への薬の投与は容易なことではない。しかし、この薬は安全な錠剤で、奥地では専門の医師や看護師がいなくても村人たちが配ることができた。
1粒の薬を飲み救われた村人が、喜びと感謝さらに他の人にもその薬を配り、真心の連鎖で菩薩のように大勢の人びとを救っていったのである。
この成果は、さまざまな機関と製薬会社などの幅広い協力の賜物であることは言うまでもないが、大村さんの祖母の「人のためになれ」という教えは大きい。
お祖師さまに救われた私たちには、今多くの人に「妙法」を届ける役目がある。
(石川県第1部布教師会長・伊藤寛仁)