2016年1月1日
人類を救う立正安国・お題目結縁運動
■春のはじめの御悦び
「春のはじめの御悦びは、月のみつるが如く、潮のさすがごとく、草のかこむが如く、雨のふるが如しと思し食めすべし」
これは日蓮聖人が、弘安5年正月7日に四條金吾殿にお与えになられたお手紙の一節である。
満月になることも、潮が満ちてくることも、草が萌え出ることも、また雨が万物を潤すことも全ていのちを躍動させ、生き生きとした生命力をもたらす現象である。
生きて新春を迎えることができた悦びを、心の底から涌かして、新しい気持ちで、いのちを躍動させていきなさいというお言葉である。
テロが続発し、天災地変が頻発し、疫病が流行した人類の危機的状況の中で、私たちは今年も尊いいのちを頂いて新しい年を迎えることができた。何とありがたいことか。
このありがたい気持ちを「世のため人のため、世界平和のため」に生かしていかなければ、いのちのみ親・ご本仏さまに対して申しわけない。
今年は立正安国・お題目結縁運動の開花活動第2年目となる。日蓮聖人御降誕800年も5年後に迫ってきた。
それに今年は日蓮聖人をこの世に生んでくださった御母君妙蓮尊尼の750回忌を迎える。
私たちは、まれなる人身を受けありがたきお題目に、今この時にめぐりあえたことの意味を深く受けとめて、今年も立正安国運動にいのちを燃やしていこう。
■丙申(ひのえ・さる)の年
今年は丙申の年である。
「丙(ひのえ)」の年は、昨年より明るくなる年である。物事が伸張して発展していく年であるという。だからこの時流に乗って、物事に積極的にとり組んで進展させていこう。
しかし繁栄の後には必ず衰退が来る。だから調子に乗って有頂天になると思わぬ衰運に見舞われることになる。
先見の明を持って、慎重に、私たちの使命に生きていこう。
また「申(さる)」の年は、新旧いろいろな勢力が伸びてくる年である。特に頭をもたげてくる新しい勢力に対しては、よく見極めて明らかにし、人類の幸福のために対処していかなければならないという。
さらに「申」には、天の神の意味がある。神の年であるならば善神に働いて頂く年にしたいものだ。
それには神仏の根本仏であるご本仏さま・お題目を声を惜しまず唱えて、お題目の信仰を一層弘めていくことだ。
この伸展の年に当たって、お題目結縁運動をさらに盛り上げていく年にしよう。
■立正安国の祈り
世界人類は今重大な危機に直面している。テロの撲滅もさることながら、ロシアとトルコの対立は世界戦争一触即発の状況である。
何としてもこの危機から脱出して、今年の干支の通り、明るく和やかな申申とした年にしていかなければならない。
私たち宗門の大先輩石橋湛山先生は、「宗門は今や重大な危機に立っていると思われる。これを救う道は、愚案によれば〝宗祖に帰る〟以外にない。…それはただ宗門をよみがえらせるだけの方法ではない。まさに日本を、そうした世界を救う道である」(『大崎学報100号』)と言っておられる。
まさに立正安国・お題目結縁運動の出番だ。時は今だ。
「夫れ仏法を学せん法は必ず時をならうべし。…何に況や、仏法を修行せんに時を糾さざるべしや」(『撰時抄』)とある。
人類を救うお題目を、一心に唱えて精進していく年にしよう。
(論説委員・功刀定如)