日蓮宗新聞
2015年12月20日号
大本山池上本門寺第83世菅野日彰師晋山式
東京都大田区大本山池上本門寺で12月2日、第82世酒井日慈師から第83世菅野日彰師への法灯継承式が営まれた。式に先立ち行われた行列には菅野新貫首が寮監として務めていた宗立谷中学寮の卒寮生258人が祝いに駆けつけ、檀信徒含む約350人が参加。約150㍍の大行列が池上の街にお題目を轟かせた。
行脚後、菅野新貫首は大堂(祖師堂)前で大勢の僧侶檀信徒の前で「師匠からの教え〝僧侶は掃除とお経と布教〟を続け、みなさまに支えられたことで本日を迎えることができました」と謝意を表した。
祖師堂内での式には、約650人が参列した。酒井前貫首は退隠奉告文で檀信徒や法類会などの外護を受け、池上本門寺での数々の事業を円成したことへの感謝を述べるとともに、菅野新貫首による興隆を期待した。『霊宝目録』と平安時代の法華経写経を酒井前貫首から相承された菅野新貫首は晋山奉告文を 述べ、「宗門布教の根本道場の伝統を守り、若き僧侶を育成し、仏祖の厚恩に報じ奉る」と誓った。
また全国檀信徒協議会長の池上幸保筆頭総代は祝辞で、酒井前貫首の教化に感謝を示すとともに、菅野新貫首の僧風教育の実績から「檀信徒にとって菅野貫首から指導を受けることはこの上ない喜び」と涙を流した。
祝宴では総本山身延山久遠寺の内野日総法主猊下が「池上本門寺の檀信徒との絆をすでに深められていると知りました。お題目の信仰で、身延山と池上の法華経檀信徒との架け橋となられることを」と期待された。最後には、学寮卒寮生が菅野新貫首の晋山を祝福し、立正大学校歌と学寮歌を披露。菅野新貫首を「先生」と慕いながら感謝を表した。
酒井前貫首は平成12年に晋山。立教開宗750年の節目には五重塔を全解体しての改修、霊宝殿の建設など数々の事業を行った。さらに『池上』誌の発行、また18年から4年間、日蓮宗管長を務めるなど布教伝道に尽力してきた。
菅野新貫首は昭和12年北海道生まれ。東京経王教会担任、同浄延院住職、静岡県本山海長寺貫首を務めたほか、日蓮宗立谷中学寮寮監や総本山身延山久遠寺の布教部長を歴任した。