2015年11月10日
チャペルの結婚式で参列者が当たり前のように
チャペルの結婚式で参列者が当たり前のように賛美歌を歌っているのを見ると、何だかうらやましくなる。キリスト教の賛美歌に比べると仏教讃歌の知名度は低い▼仏教讃歌はお釈迦さまや宗祖の徳を讃える歌。明治以降、西洋音楽を取り入れて子どもから大人まで親しみやすいメロディで作られてきた。仏教に音楽? と思うかもしれないが、仏さまの世界が綺麗な音楽で溢れている様子はお自我偈にも説かれている▼私が最初に出会った仏教讃歌は、幼稚園で歌った『しっている』だった。「ののさまは口ではなんにも言わないが♪ ぼくのしたことしっている♪」子ども心に「ののさまってすごい!」と思ったものだ▼やがて大人になり再び出会った仏教讃歌、故・磯貝静江先生率いる合唱団の歌に私は衝撃を受けた▼「三帰依文」の絶妙なハーモニー、「蓮の花」のすがすがしさ。その素晴らしい歌声に感激すると共に、それ以上の何かを感じた。そこには仏さま・お祖師さまへの恋慕の想い、お題目と共に生きる喜びが歌い上げられていた。信仰の喜びに裏打ちされた歌声は輝き、その喜びを分ちあいましょう…と語りかけてくるようだった▼幼い心に刻まれた仏さまの存在は生涯の宝となる。歓喜に満ちた歌声は新しい信仰の花を咲かせる。子どもたちと一緒に歌う仏教讃歌の歌声は、日本中を、世界中を仏さまの世界に変えていくにちがいない。(蛙)