2015年10月10日
「堅法華」とは、何をするにもお題目に結び付け
「堅法華」とは、何をするにもお題目に結び付け、他宗寺院の前で鼻緒が切れても、そこで直しては頭を下げたことになるから、片足で門前を通り抜けて鼻緒をすげたという。江戸時代に隆盛を極めた法華堅気の信者の元を作ったのは「講」の存在だろう▼お祖師さまはお題目こそすべての人を救う教えであるとの結論に至るまでに、一切経(お釈迦様が説かれたすべてのお経)を3度読まれたという。その分量はどのくらいかと調べてみて驚いた。池上本門寺蔵の天海版一切経で、高さ50センチに積んで40畳の部屋がいっぱいになるという。いま私たちが勉強のため読める一切経は日本語に訳された国訳一切経で、文字数は1億200万字である。それを身近なものと比べてみる。24頁ある全国紙の新聞で324000字。この数字を国訳一切経に当てはめると、お祖師さまは900回新聞を隅から隅まで、意味を考えながら読まれたということになる▼この膨大な文字の中から法華経を選びだされお題目の7字をお示しになられた。法華経の69384文字を7で割ると9912文字でおよそ1万となる。江戸時代に、十三日講、身延講などを中心にして盛んに建てられた「1万遍唱題塔」はここに由来する▼いま、もっと「講」の存在を再認識していい。その最少の単位は自分の家庭である。もっともっと「堅法華」と言われるくらいに、家庭でお題目を唱えるようにしたものだ。(汲)