オピニオン
2015年8月20日
私たちの振る舞い
昔、雪山童子は「諸行無常是生滅法」の続きの半偈を聴くために鬼神の口に身を投げ入れたといいます。法のためとはいえ、私たちにはなかなかできることではありません。
毎月お経に伺っている信徒さんのお家で、お経が終わって帰ろうとしていたところ、お嫁さんが「娘からです」と言ってチョコレートを渡してくれました。ちょうどバレンタインデーの頃のことですが、その気遣いにうれしい気持ちになりました。
このお家は数十年にわたってご夫婦揃って、最近は親子でお参りされています。朝早くお出でになった時は、本堂の清掃・草取りをしていかれますし、お供えもされます。
以前からその様子を見ていますと、見習わなければいけないと思い、またお参りになるまでには、本堂の扉を開けておかなければならないなと思いました。「教主釈尊の出世の本懐は人の振る舞いにて候」のお言葉が身にしみました。
(山梨県4部布教師会長・苅込義旺)