オピニオン
2015年7月1日
伝 言
90歳になる妹は、80年前に若くして逝った兄の夢を見た。幼少だった彼女の記憶のままの口数少なく寂しげな顔をしていた。とても気になった。多かった兄妹も今は自分一人。来月の祥月に法事をすることになった。
本家の甥から電話。「叔母の夢の件でお世話になります」。自分が生まれる前から、夢の兄(伯父)を含め六霊の位牌を護って来たが、古いので今回新しくすることにした。繋がりが分からないので戸籍を調べると、「夢の兄」には位牌も無くわずか1ヵ月で逝った弟がいた。一緒に供養することになり名前と命日をいただく。年回表を見る。大正5年百回忌。しかも夢の兄の10日後が命日。「間にあった」。戒名を授与し位牌開眼の供養となった。「婆ちゃんの夢大したもんだ」と甥の言葉。
常住此説法の仏壇のご本尊を中心に、位牌諸霊も日々に『関わりの命』を持つ。来月は戦後70年。平和への諸霊の伝言、心の耳でしっかりと。
(茨城県布教師会長・長谷川玄應)