2015年4月1日
鬼面仏心に拙い文章を書かせていただいて何回目に
鬼面仏心に拙い文章を書かせていただいて何回目になるのだろう。過去の原稿は2つのハードディスクに保管してあったのだが、最近相次いでクラッシュしてしまい、原稿が消滅してしまった▼困っているところへ原稿の締め切りが近いという連絡をいただいた。しかし、焦りもあってテーマが見つからない。ちょうど境内の緋寒桜が咲いたのでその事を書こうと思って机に向かっていて気がついた。そういえば昨年、桜について書いた覚えがある。さてどんな内容だったか▼全てをコンピューターに任せていた事への後悔の念が膨らむ。せめて印字した原稿か掲載された新聞を取っておけばよかった▼1年前のことを忘れている自分の老化現象にも呆れた。それにしても1年近く経ってしまったとは驚きだ。歳をとると時間の経つのが早く感じられるという話を何処かで読んだことがある。生まれたばかりの子どもが感じる1年を365日とすると、70歳の人が感じる1年はせいぜい70日程度だと書いてあった▼最近では、来年の秋にまた会おうなどと、子どもなら気の遠くなるような約束をして古い友と別れることも多い。そして再会したときには1年間のブランクなどなかったかのように話が弾むが、高齢化による時間の錯覚だとすれば手放しで喜んでもいられない▼歳をとってのコンピューターもいいが、大切な時間を自らの記憶に焼き付けながら生きることも大切なのだと自らに言い聞かせる。(寮)