2015年3月20日号
東日本大震災から4年
東日本大震災から4年。大地震が発生した3月11日午後2時46分、津波による大被害を受けた宮城県石巻市と女川町では防災無線からサイレンが鳴らされ、鎮魂の黙祷が捧げられた。同地区には久円寺(谷川海正住職)、法音寺(谷川正明住職)、妙照寺(鈴木錬昭住職)の3ヵ寺があり、合計で156人の檀信徒が4年前の震災で犠牲になった。各寺院では震災発生の時刻に合わせて今年も慰霊法要が営まれた。
石巻市法音寺には約80人の遺族らが集まり、神奈川県1部青年会、北海道北部青年会僧侶、石川県輪島市妙相寺(河﨑俊宏住職)の檀信徒らとともに鎮魂の祈りを捧げた。法要後には同寺の飛び地境内に建てられた東日本大震災犠牲者慰霊塔前に移動し、ここで合流した檀信徒とともに震災発生の時刻を迎えた。塔は津波で多数の犠牲者を出した場所に建ち、この日は午前から神奈川県1部青年会僧侶によって読経が行われ、通りかかった地元の人らは手を合わせていた。
立正大学仏教学部では、毎年この日に合わせ慰霊唱題行脚を行う。前日の10日に現地入りした一行38人(戸田裕久団長)は強風のなか各所で唱題行脚を行い、3ヵ寺で法味言上。4年たっても檀家の犠牲者48人のうち26人が見つかっていない女川町の妙照寺では、鈴木住職の「みなさんの心を込めたお題目はきっと海の底にも届いたはず。ありがとう」という挨拶に、思わず目頭を押さえる人もいた。行脚に参加した学生の一人は「被災地に来たのは初めて。大学に戻ったら見たもの、聞いたこと、感じたことを誰かに伝えていきたい」と話した。一行は翌11日には宮城県名取市閖上地区などを行脚した。