2015年3月20日
「立正安国・お題目結縁運動」が第3期に入る。
「立正安国・お題目結縁運動」が第3期に入る。ここまでの宗門運動の成果を総括し、しっかりと自己採点することが肝要だろう▼この運動は全国74の宗務所の管区伝道企画会議で、2年の時間をかけて検討した意見をもとに、ボトムアップで生まれた運動だ。宗内的にはお題目結縁による人づくり、宗外的には立正安国の社会活動というのが主なねらいだ▼当初、運動名の「立正安国」に対し、いまさら四箇格言(念仏無間・禅天魔・真言亡国・律国賊)を持ち出すのかという「安国論封印」の声があがった。しかし「立正安国」は日蓮聖人の「いのち」。聖人の信仰から「立正安国」を除いたらなにが残るか。「立正」を主張することが、イコール排他的宗教ではないはず▼世界にはキリスト教やイスラム教、資本主義や市場原理主義といった思想や宗教があり、多くの人びとの行動規範となっている。それらは聖人の時代にはなかったもの。しかも中には「立正」に照らして「ノー」と正すべきものも多い。聖人の時代の四箇が、今では十箇も百箇もある▼『論語』に「君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず」という言葉がある。「立正」を主張せず、世の大勢に同ずる(おもねる)ことが祖意ではない▼人びとの価値観が多様化し、混沌とした時代。こんな時代だからこそ宗門運動第3期では、社会に向かってもっと「立正」を主張すべきではないか。(義)