2015年1月1日
開花期を迎える立正安国・お題目結縁運動
新年おめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
■正月は妙の一字のまつり
日蓮聖人は秋元殿に与えられたお手紙の中で、「正月は妙の一字のまつりなり」と言われている。同じ年の正月に著された『法華題目鈔』には、「妙とは蘇生の義なり。蘇生と申すはよみがえる義なり」とある。
平成27年の新春を迎え、私たちは一心にお題目を唱え、改めて生き返った気持ちになって、新しい意欲を沸かせていこう。
平成19年に始まった「立正安国・お題目結縁運動」は、前期8年の「第一期播種活動」と「第二期育成活動」を経て、今年から後期7年の「第三期開花活動」に入る。
この宗門運動は、平成33年に迎える日蓮聖人ご生誕八百年の佳辰に臨むに当たって、聖人の立正安国の本願に生きようとする運動である。
開花活動を実践する今年を契機に、私たちは生き返ったつもりで、一層元気を出して、立正安国のお題目を唱えていこう。
■乙未(きのと・ひつじ)の年
今年は乙未の年である。
「乙」の年は、草木の芽が外界に寒さや抵抗があると真っ直ぐに伸びれないで曲折しているように、物事が順調に進まない年である。
もし何かを為すために前進していこうとするならば、紆余曲折は覚悟の上で、希望を沸かせてこれを切り開いていかなければならない。
昨年の「甲」の年は、新しい動きに対しては慎みを持って取り組んでいけという年であった。今年も慎みと明るい気持ちを忘れないで、良くなるという光明感を常に持って生きていく年である。それにはお題目の光で心を照らし、お題目の光で周囲を浄化していくことであろう。
さらに「未」の年は、木に新しい枝が茂ると暗くなるように、何かと暗くなりがちな年である。
だから今年は、決して暗い年にしてはならないという気概を忘れてはならない。その気概を沸かせるために立正安国のお題目がある。法華経に「日月の光明の能く諸の幽冥を除くが如く、斯の人世間に行じて能く衆生の闇を滅す」とある。
私たちは世の中を明るくしていくために、「斯の人」の気概を持って、さらにさらに立正安国の唱題運動を盛り上げていこう。今年こそ立正安国のお題目の光明が、現代社会にさん然と輝く年にしていきたいものだ。
■立正安国の祈り
「旅客来りて嘆いて曰く、近年より近日に至るまで、天変、地夭、飢饉、疫癘、遍く天下に満ち、広く地上にはびこる。(略)之を悲しまざるの族、敢て一人も無し」。
これは日蓮聖人の『『立正安国論』の初めの一節である。
当時の時代状況と今と全く変わりはない。東日本大震災の復興が未だ遠い中で、昨年は天変地夭が相続いた。ましてや疫病がまん延して世界中を震撼させている。
異常気象がもたらす天災の最大の責任は、人類の生き方にある。「天地は国の鏡」と言われた日蓮聖人のお言葉は、まさに真理である。
天変地変を憂えられた日蓮聖人は、『立正安国論』の結論として、「実乗の一善に帰せよ」と訴えられている。実乗の一善とは立正安国のお題目の祈りである。立正安国のお題目の祈りこそ、私たち人類の生き方を決める行動の原動力である。さあ、今年も精進していこう。
(論説委員・功刀貞如)