2014年12月10日
「時間」というものは不思議なものだ。
「時間」というものは不思議なものだ。好きなことをしているときは、あっという間に過ぎ、嫌な時には遅く感じる▼「小さいとき、いろんなところを車で遊びに連れてってもらったけど、子どもは車の中って大変なんだよね。することないから、時間が余計に長く感じるんだよね」と、長女が何かの弾みで言ったことを思いだした。時間の経過を、子供は大人の3倍長く感じるのだそうだ▼「1日が経つのって早いね。もう1年経ってしまったね」。科学的時間には変わりはないのだが、ついこう言ってしまう。心理的なものなのだがいろいろな説がある。代表的なものとしては、「ジャニーの法則」がある。10歳であれば365日×10、30歳であれば365日×30というように、1年の感じ方が3倍違うという心理学的な法則である。また、同じことの繰り返しが時間を早く感じさせるという説。心拍数が遅いと時間への感覚が鈍くなり、時間が早く感じるという心拍数の法則。脳に新しい情報が入らずにいると時間の経過が早く感じるという、記憶量に関係する説というものもある▼お祖師さまが「今本時」(『観心本尊抄』)といわれる時間は、始めもなければ終わりもない、本仏とともにある時間。お題目を唱えることによって体感できる時間である。年の瀬ゆえ尚更に、年々早く過ぎ行く時間を大切にして、充実した日々を過ごさねばと切に思う。(汲)