オピニオン

2014年11月10日

地球的規模で調和を探る時代に

地球の温暖化がかなり進んでいるという。たしかに暖かくなっていることに誰もが気づいている。毎年10月12日に営んでいる会式法要も最近では冷房を入れるほどだが、昭和30年代までは寒風が吹きすさぶなかで迎えていた記憶がある。僅か40年の間に身体で感じるほどの変化が起きている。今年二つの巨大な台風が相次いで発生したのも温暖化の影響らしい。北極圏では氷が溶けて氷河が縮小し生態系にも影響があるという。
ならば温暖化を阻止すればいいのだが、そう簡単ではないようだ。地球温暖化が二酸化炭素の増加によるものだという説を唱える学者がいるかと思えば、地球の温暖化は太陽の活動が活発化したためで、それによって海水温が上がり、海水に溶けていた二酸化炭素が大気中に放出されたためだという説もある。二酸化炭素の増加は温暖化の結果に過ぎないというわけだ。
温暖化の原因が前者なら我々の努力で多少なりとも止められるだろうが、後者にはなすべき術はない。大自然や宇宙を相手に喧嘩はできない。
一方、温暖化が地球に悪影響を及ぼすという考え方そのものに反論する学者もいる。養老孟司氏もその一人だ。二酸化炭素は光合成に大切なものであり、その増加が悪影響を及ぼすことはないという。1億5千万年前の地球には、今の5倍から10倍の二酸化炭素が大気中に存在し、気温は現在より6度も高かったようだ。その結果、地上には巨大な植物が満ち溢れ、それを食料とするこれも巨大な草食恐竜が繁殖していた。
その恐竜が滅びたのは何らかの原因による地球の寒冷化だった。今、地球が寒冷化すれば、発展途上世界を中心に6割の人たちが餓死する危険性がある。
原子力発電についても賛否両論ある。未だに自宅に帰れないまま避難生活をしている方々のことを思うと、原発などすべて廃棄してしまうべきだと思う。ところが原子力は人間が科学で作り出したエネルギーであり、すでに世界で重要な存在となっていて、もう後戻りはできないという説もある。その安全性についても国と国民と電力会社とが管理するようになればかなり改善されるとも。原発を継続すべきだという意見の専門家と話したことがある。彼は、世界から原発が消えれば石油や石炭の需要が増し、当然価格も上昇する。そうなれば発展途上国ではそれらを買えない事態に陥るというのだ。結局皺寄せはいつも貧しい人たちのところにくる。
原子力発電については宗教が絡んでいるという説もあった。今や世界中で勢力を増しているイスラム教に対して危機感を持つキリスト教が、イスラム教の財政基盤となっている石油を使わないことで勢力を削いでしまおうということらしい。
なんとも壮大な悪巧みに思えるが、案外そんなことかもしれない。日本の捕鯨に反対している西欧諸国の人たちは、ノアの方舟に鯨が乗っていなかったことを論拠としているそうだ。鯨は、人間の食料として神が認めていないというのだ。しかし実は、これは一般の人たちを反捕鯨に同調させるための方便で、鯨の脳から取れるわずかな精密な油がミサイルの方向指示用独楽の軸受に必要で、それを他国に取らせないようにという某国の陰謀だったという説もある。
様々な出来事はそれぞれ原因があり、また思惑もあって動いている。大自然の営みには逆らいようもないが、ステレオタイプの見方をするのではなく知恵を出し合って世界全体が安定する方法を探りたいと、常々思う。
(論説委員・伊藤佳通)

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