鬼面仏心

2014年8月10日号

お茶の先生が生前よく言っていた。

お茶の先生が生前よく言っていた。「私が85歳を過ぎるとは思ってもみなかったわ。いろいろ不都合が出てくるもんですね。なにせ85歳の年寄りになったのは初めてのことだから」、「男性のお点前は潔さを心掛けて。但し乱暴に、粗雑にならないように」その教えをついに身に付けずにお別れしてしまった。先の言葉はなかなか言い得て妙であると感心したのもいまは懐かしい▼学生の時、随身をしていた御前様は「社会のためになることも、機会があったらしなきゃいかんぞ」と折に触れ数多くの教えをいただいた。ご自身も中野刑務所の教誨師を長年続けられていた。どの言葉も筆者の宝である▼戦後総理大臣まで務めた石橋湛山に影響を与えたのが「青年よ、大志を抱け」のことばを残したクラーク博士の教えだったという。(「戦う石橋湛山」半藤一利著)意外な感じもするが、湛山が通う甲府中学校に赴任してきた校長がクラーク博士の教え子の一人だったのだ。その校長から伝えられたクラーク博士の精神に感銘を受けた湛山は、日記にこう書いている。「常に良心に忠実に、志の大なるものが目前の小欲に心を奪われるわけがない」と。更に湛山はお祖師様の教え、精神を自身の行動の拠り所にしたことは言うまでもない▼お盆も近い。亡き愛する人との会話、言葉を思い出してほしい。きっとあなただけの言葉の宝物が見つかるはずだ。(汲)

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2014年8月1日号

天気予報で使う「平年」

 天気予報で使う「平年」とは、過去30年間の平均を言うのだそうだ。それを10年毎に更新しているらしい。平年より高めとか低めの気温というのもそれを基準としている▼地球の気温は、やはり高くなっていると思うのは、昭和30年代には、気温が32度にもなれば大騒ぎをしていた思い出があるからだ。今ではその程度の気温は平年並みでしかない。蛙が入った水を少しずつ温めると、やけどするまで気づかないという話と似ていて怖い▼今年も都会では天の川が見えない。見えないのが当たり前になって久しいから若い世代には一度も見たことがないという人も多いのだろう。昭和20年から30年代にかけて、天の川はごく自然に見えていた。旧ソ連が世界で初めて打ち上げた人工衛星を、小学校の理科の時間に作った簡単な望遠鏡で観察したものだ。それが「平年」の空の様子だった▼雨の降り方も変わった。梅雨といえば朝からしとしとと降るのが常だったが、今ではゲリラ豪雨が日常になった。竜巻や雹の被害も頻発している。昨今の大きな変化は異常気象が原因だとも言われているが、異常も30年続けば平年になる▼大自然の営みはどうすることもできないが人間の営みを変えることはできる。社会のルールを無視した若者たちの暴走ぶりを「平年並み」にさせないためにも時代を超えた絶対的な基準が必要だ。(寮)

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新年のご挨拶。

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