ひとくち説法
2014年8月20日号
感謝を知れば
私が家族6人で七面山に登詣させていただいて今年で6回目になります。最初の年に0歳で背負われて登った末の息子が6歳になり、自分の足で登るようになってもう3回目になりました。
私は山登りが苦手で、家族の一番最後を1時間も余計にかけて登ります。登っている時は自分が一番つらいと思っていますが、敬慎院で家族と再会して話を聞くと、それぞれのつらさがあり、自分だけではないことを毎回知ります。お互いの苦労を分かち合うと、疲れた体も軽くなったような気がするから不思議です。
七面山は罪障消滅のお山と言われていますが、つらい思いをして登ることが罪障消滅になるのではなく、誰かと辛さを分かち合い、誰かの苦労を無条件で認めることができる感謝と慈悲の心があるからこそ自らの罪障も消滅するのでしょう。
軽くなった心で、また日常を送るなかに感謝と慈悲を忘れないでいたいものです。
(愛媛県布教師会長・讃岐英昌)
2014年8月10日号
宇宙時代の法華経
コペルニクスの地動説(1543年)が普及した16世紀から20世紀までの5百年間に、科学技術は目覚ましく進歩してきました。今、21世紀に入って14年目のこの時、人類はその生活空間を地上から宇宙へと広げようとしています。
法華経の二処三会の説相は、第十一章見宝塔品の中間において、地上での説法(霊山会)から空中での説法(虚空会)へと場面は激変します。
即時に釈迦牟尼仏は、大音声を以て普く四衆に告げたまはく、「誰か能く此の娑婆国土に於て広く妙法華経を説かん。今正しく是れ時なり」と。
宇宙空間での生活を可能ならしめた科学技術の基礎学問分野は、言うまでもなく、現代数学と現代物理学です。その数学・物理学の基本法則は、妙法華経によって説明することができます。法華経は現代の最新科学にも通じる教えなのです。さまざまな学問を網羅・融合した人類の叡智と永遠の真理がそこにはあります。
(徳島県布教師会長・萱間顕誠)
2014年8月1日号
合掌して「いただきます」
暑くなるとどうしても食欲が落ちる方もおられますが、一方、こんな時だからたくさん食べて体力をつけなければと思う方も。
いずれにしても、食事は、私たちの生命を維持するために必要なことです。お米をはじめお蕎麦や素麺、豚肉に牛肉、鶏肉、そして魚介類とさまざまないのちを私たちはいただいているのです。
いのちに大小、軽重はありません。私たちが口にする諸々のいのちによって、私たちはいのちを繋いでいるのです。だから、食事の前には、「いただきます」「ごちそうさまでした」と感謝の気持ちを表すことが大事です。
合掌は、相手を敬う姿とも言われています。食事の前後には、合掌して「いただきます」、そして「ごちそうさまでした」と声に出して、感謝のことばを言いましょう。
(山梨2部布教師会長・望月泰幹)