2014年8月10日
お茶の先生が生前よく言っていた。
お茶の先生が生前よく言っていた。「私が85歳を過ぎるとは思ってもみなかったわ。いろいろ不都合が出てくるもんですね。なにせ85歳の年寄りになったのは初めてのことだから」、「男性のお点前は潔さを心掛けて。但し乱暴に、粗雑にならないように」その教えをついに身に付けずにお別れしてしまった。先の言葉はなかなか言い得て妙であると感心したのもいまは懐かしい▼学生の時、随身をしていた御前様は「社会のためになることも、機会があったらしなきゃいかんぞ」と折に触れ数多くの教えをいただいた。ご自身も中野刑務所の教誨師を長年続けられていた。どの言葉も筆者の宝である▼戦後総理大臣まで務めた石橋湛山に影響を与えたのが「青年よ、大志を抱け」のことばを残したクラーク博士の教えだったという。(「戦う石橋湛山」半藤一利著)意外な感じもするが、湛山が通う甲府中学校に赴任してきた校長がクラーク博士の教え子の一人だったのだ。その校長から伝えられたクラーク博士の精神に感銘を受けた湛山は、日記にこう書いている。「常に良心に忠実に、志の大なるものが目前の小欲に心を奪われるわけがない」と。更に湛山はお祖師様の教え、精神を自身の行動の拠り所にしたことは言うまでもない▼お盆も近い。亡き愛する人との会話、言葉を思い出してほしい。きっとあなただけの言葉の宝物が見つかるはずだ。(汲)