日蓮宗新聞
2014年7月10日号
北米開教100周年慶讃法要
1914年(大正3)、第18代日蓮宗管長旭日苗上人の命を受けた旭寛成上人に始まる日蓮宗の北米開教が今年で100周年を迎えた。この節目を記念し、発祥のロサンゼルスにある日蓮宗米国別院(井上定胤主任)で6月29日に内野日総管長猊下ご親教の北米開教100周年慶讃宗門法要が営まれた。
100年前、北米に渡った数多くの日本人信徒の心の支えとなった法華経とお題目信仰は、現在、日系人のみならず米国人にまで広がっている。法要では、脈々と異国で信仰を継承してきた先師と信徒の労苦を偲ぶとともに、一天四海皆帰妙法という日蓮聖人と宗徒の目的を実現させるための精進を誓った。
慶讃法要は、日蓮聖人御降誕800年慶讃の初事業となる第一回。北米での管長のご親教は25年振りとなった今回の法要には、北米僧侶信徒をはじめ、日本からの団体参拝やイタリアなど世界各国からの僧侶信徒約300人が参列した。厳かに声明が唱えられ、読経に続き恭しく献茶が行われた。
内野管長猊下は慶讃文で六老僧の日持上人から始まった宗門の海外開教の歴史を披露され、宗徒の使命は日蓮聖人の誓願を受持し、世界を浄仏国土にするため、一天四海皆帰妙法に不惜身命の精神を注ぐことであると述べられた。また第二次世界大戦で強制収容所に収監された日系人の不遇をお嘆きになられるとともに、そのような状況下で僧侶信徒が法華経弘通に邁進した功績を讃えられた。内野管長猊下は、今回の宗門法要で宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」の一層の推進をはかり、安穏な世界を実現することを誓われた。
続いて法楽加持で参列者の信仰増進が祈られ、『立正安国論』の一節とお題目を唱和した。内野管長猊下の御経頂戴に続き、ご親教では「歴代の僧侶信徒の艱難辛苦を次世代に伝えなければならない」と語られ、宗徒の一人ひとりが異体同心にして地涌の菩薩となることを切望された。
謝辞では金井開教区長が、感謝の言葉を日本語で述べるとともに、北米の僧侶信徒へ向けて英語で「開教区長としてリーダーシップを発揮し、もっとたくさんの日蓮宗の教会を設立させたい。寛成上人が蒔いたお題目の一種を育て花咲せることは簡単なことではありませんが、すでにあなたたちはそこにいたるための素晴らしい道を歩んでいるのです。美しいお題目の森を作るためにも、どうか私についてきてください。平和と調和の世界をひろげていきましょう」と呼びかけた。
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全日青が唱題行脚
法要後、全国日蓮宗青年会の松森孝雄会長ら9人が別院からリトル東京まで4㌔を唱題行脚した。うちわ太鼓がビルに反射して鳴り響き、大勢の人が建物の外に出てお題目に触れた。リトル東京では、シアトルで布教活動を行っているシーダーマン観心師らが英語で街頭布教を行い、法華経や日蓮聖人の教えを説いた。