ひとくち説法
2014年7月20日
命輝く時
法華経は自分が好きになる教え、自分が好きになる生き方を勧める教えです。とても簡素で易しい教えなのにどうして理解されない、とお釈迦さまは心配されたのでしょうか。私たちは自分が好きになれないので、自分が好きになれるものを外に求めて、自分を好きになろうと努めたからです。それのどこがいけないのでしょう。外にあるものは一見自分を高めてくれるように思えるのですが、どんなものでも内なる宝に比べたら、取るに足りないものばかりだからです。
いつ自分の中にある宝に気づけるのでしょうか。求めて求めて得た宝が本当には自分を守ってくれなかったという事実を知る時です。この世の無常を知るということですか。そうです。知っていても実感するためには辛い年月を必要とします。気づいた時にはもう時間がないということもあります。でも一日でも自分の命が輝く時を過ごせたら、生まれてきた甲斐があるというものです。
(香川県布教師会長・高岡 完匡)