2014年7月10日
携帯電話をなくしてしまった。
携帯電話をなくしてしまった。サービスエリアのトイレに置き忘れ、気付いてすぐに戻ったが遅かった。きっと誰かが届けてくれると思い、何度もトイレを探しながら売店のレジで1時間ほど待ったが、ついに戻ってこなかった▼もしかすると拾った人が近所の交番に届けようと持ち帰ったのかも!などとポジティブに考えたりもしたが、かれこれ一週間が経とうとしている。残念だが、いい人に拾われた可能性はゼロに近い▼携帯電話といっても、ただの”携帯できる電話”ではない。あの小さな塊の中には、時計、お財布、カメラ、ビデオ、アルバム、日記、電話帳、辞書、など様々な機能が備えられている。最も悔やまれたのは、撮りためた写真だ。手軽に撮影できる携帯のカメラ機能は本当に便利で、しょっちゅう写真を撮っていた。あの携帯の中には娘が生まれてからの写真が二千枚以上保存されていたのだ。初めての公園、変な寝相の写真、大事に育てたアゲハチョウの旅立ち・・・なにものにも代え難い思い出を持ち去られた悔しさは徐々に怒りに変わっていった▼犯人に対する怒りでいっぱいになった時だった。以前に大切な時計を盗まれた経験を話して下さった先生の言葉を思い出した。「自分があんなところに時計を置かなければ、盗みをさせることもなかっただろうに」
あの時”まるで仏さまの言葉”と感銘を受けた一言に、鬼になりそうだった私の心は救われた。(蛙)