オピニオン
2014年6月10日
祖師(そし)の利生(りしょう)は日々に
岡山に伝わっている法華和讃に「祖師の利生は 日々にまします…」とあります。「利生って?」と質問を受けました。辞書には「仏が衆生を救済し、利益を与えること」とあります。祖師の日蓮聖人の不思議な力に日々見守られている私たちなのですよ…と言われています。お釈迦さまの教えが遠くなってしまった「末法」と言われる今にこそ、法華経の教えが大切と、命を惜しまず弘教された日蓮聖人。その「利生」が今も私たちに…と、素直に受け止めて詠われてきたのですね。
怪我や病気、家族最愛の人との別れなど絶望の底にある時、仏さまからの言葉は言葉以上の力を持って私たちに迫ってきます。「ああ助けていただいた」と思える言葉は、苦難あればこそです。護っていただいた暖かい心を感じ、その思いを深めましょう。
「祖師の利生は日々にまします…」と詠われた先人に続きうる生き方を求めたいことです。
(岡山県布教師会長・平野光照)