書評
2014年5月27日
図説『日蓮聖人と法華の至宝』第7巻「経の巻、日蓮聖人註画讃」
が発刊された。日蓮宗の文化財を写真をメーンに解説するシリーズで、今巻では、日蓮聖人のご生涯を美しい絵と文で表現した日蓮聖人註画讃を紹介する。
現存する註画讃9本と別本1本、高祖伝『日親上人徳行図』を掲載。現存する諸本のすべてを連続的に掲載するという画期的な試みが行われた。また、研究過程にあるものも掲載されており、学術資料としても価値の高いものとなっている。
色彩豊かな絵を眺めているだけでも十分に楽しめるが、随所に書かれる解説文から、時代背景や信仰への思いに理解が深まる。ビジュアル感に富んだ構成は、日蓮聖人のご生涯を描いた平成の絵巻物と言っても過言ではない。
同書は中尾堯立正大学名誉教授、川添昭二九州大学名誉教授、渡邉寶陽立正大学名誉教授、坂輪宣敬同名誉教授の4人が監修を行う。なお、第5巻、6巻は発刊準備中。
(A4版、約200頁、19、048円+税、同朋舎メディアプラン発行)