オピニオン

2014年5月20日

宗祖ご降誕800年の聖儀に向けて

平成33年は宗祖日蓮聖人のご降誕800年の聖年であります。日蓮宗にとって50年ごとに巡ってくる宗門3大聖儀といえば、宗祖のご降誕と立教開宗とご遠忌でありましょう。そのつど宗門は宗祖へのご恩報じの誠を尽くし、盛大に行事・事業等を行い、僧侶檀信徒一体となって信仰を深め広宣流布のため精進して参りました。
いよいよ宗祖ご降誕800年を7年後に控え、昨年の暮れには宗務総長も替わり内局も一新され、一層その実感が高まって参りました。今年の定期宗会における新宗務総長の施政方針には、冒頭に大きくご生誕800年に向け実動に入ることが表明され、宗門全体の意識高揚を促しております。全国の僧侶も檀信徒も決意を新たにし、平成33年を目指して歩んでいかねばなりません。
さて、法華経の行者日蓮聖人はただ単なる人物ではなく、本化上行菩薩のご再誕として本仏釈尊から末法の世に遣わされたお方であるということを、われわれは改めて明記すべきでありましょう。日蓮聖人は久遠の本仏であるお釈迦さまから付嘱を承け、白法隠没・末法濁世の時代に法華経を色読体験し、法華経をもって一切衆生を救済するという大きな役割をもって、この日本国に出現なされたお方であります。
日蓮聖人ご自身のお言葉に「当今は末法の始め五百年に当たりて候、かかる時刻に上行菩薩御出現あつて、南無妙法蓮華経の五字を日本国の一切衆生にさづけ給ふべき由、経文に分明なり。日蓮は上行菩薩の御使いにも似たり」(『右衛門太夫殿御返事』)と述べ、また「上行菩薩末法今の時、この法門を弘めんがために御出現これあるべきの由、経文には見えて候(中略)日蓮先ずほぼ弘め候なり」(『生死一大事血脈鈔』)と、ご自身が法華経の行者であり「日蓮なくば誰をか法華経の行者として仏語をたすけん。(中略)経文に我が身普号せり」(『開目抄』)とも仰せになって、仏使たる上行菩薩のご自覚に立たれています。
法華経の従地涌出品には、三千大千の国土が震裂して4人の大菩薩(上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩)をはじめ無量千万億の菩薩たちがみな金色の光明に包まれて現れた様子が説かれています。この菩薩たちこそはお釈迦さまが昔教化した本弟子であり、これによってご自身が久遠の本仏であることを如来寿量品で明かし、この本化の菩薩たちに末法においてこの法華経を弘めるよう如来神力品で付嘱をいたします。筆者は、法華経の中のこの部分を拝読するたびに、時間空間を超えて壮大なドラマを目のあたりに拝するような気持ちになり、心がわくわくするのを覚えます。このとき付嘱を受けた本化に菩薩が予言のとおり、末法に入ってご出現されました。
日蓮聖人は上行菩薩のご再誕として、貞応元年2月16日、日本国安房の国東条の郷小湊に仏勅を報ぜんがため、お生まれになられたのであります。そして日蓮聖人がこの世にご出現なされ法華経を説のごとく行じられたからこそ、お釈迦さまの教えが妄語とならずに済み、法華経が真実の教えであると証明されたのであります。日蓮聖人のご生誕の意義は実に深くありがたく実に偉大であります。
来るべき平成33年の日蓮聖人のご降誕800年の聖儀を今から強く心にとどめ、宗門の方針をしっかり受け止め、精いっぱい誠を尽くしてお迎えしようではありませんか。
(論説委員・石川浩徳)

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