論説
2014年4月1日号
日本国憲法と立正安国運動
日本国憲法の理念
今月3日には、68年目の憲法記念日を迎える。
日本国憲法は、第二次世界大戦終戦2年後の1947年に施行された。
戦後の悲惨な状況のなかで、二度と戦争はしまいと誓い、平和国家日本の建設へと歩み始めたときであった。
したがって平和主義が、日本国憲法の大きな柱となっていることは当然のことである。
日本国憲法前文には、
「日本国民は…政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し…この憲法を確定する。…日本国民は、恒久の平和を念願し…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存することを確認する」とある。
この前文で日本は、世界恒久平和の崇高な理想を、全力をあげて達成することを誓っている。
この憲法の理念の下で、日本は敗戦の廃墟から立ち上がり、平和国家日本として繁栄し、世界平和に貢献してきたことは、私たち日本人の誇りであろう。
憲法九条が平和賞候補に
この度、日本国憲法九条が、ノーベル平和賞の候補として、ノーベル賞委員会に受理されたことが報ぜられた。
憲法九条は、平和主義の根幹をなすものであり、日本の平和を支えてきた「日本の宝」である。さらに世界恒久平和実現のための「世界の宝」でもある。
九条は次の如くである。
「第九条①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
このように日本国憲法は、戦争の放棄、武力の行使の放棄を明確に示し、徹底して戦争を否定している。まさに絶対平和主義を打ち出している人類の宝ともいっている。
この九条が、ノーベル平和賞に輝き、この平和の精神が世界中に広がり、世界恒久平和に貢献していくことを切に期待したい。
立正安国・お題目結縁運動
法華経は絶対平和の教えであり、共存共栄の平和な仏国土を顕現していくことを勧めている。
日蓮聖人は、あの大蒙古国が襲来するという危機的状況下にあった日本の人々に、この絶対平和の法華経を信奉することを勧められた。
世界の平和なくして個人の幸せはないと、人類相互礼拝の教えを奉じて、平和主義に徹するように諌められた。
日本国憲法、特に九条の平和の精神は、この日蓮聖人の立正安国の教えに通じている。
日本は扶桑国といわれ、日出ずる国である。太陽が世界を照らしていくように、日本は日本国憲法九条の平和の理念を、世界中に及ぼしていく使命がある。
日蓮聖人は、絶対平和の法華経の魂をお題目の七字に込められて、日本の仏法とお呼びになられた。この日本の仏法が、太陽の光明のように、世界中を平和で明るくしていくと予言されている。私たちは聖人のお言葉を信じて、立正安国・お題目結縁運動に邁進しよう。
(論説委員・功刀貞如)