書評
2014年3月1日
『こちら地涌の声です ひとり旅』第二集
福岡の有志僧侶が約30年間続けているテレフォン説教「地涌の声」。その一人中村潤一師が〝ひとり旅〟をする『こちら地涌の声です ひとり旅』第二集が刊行された。
第一集から、週一度書き綴った原稿はゆうに100話を超える。本書は法華経薬草喩品第5から法師品第10までを収録、ユーモアを交えて綴る法華経エッセイ集。脱線も多いが、「『法華経』は人生の指南書です。でも本書は指南書ではありません。それを頼りに人生の旅を続けている私の報告書です」と著者は語る。
自身の出会いや出来事を交え、時に難解な仏教用語をいともたやすく優しい言葉に変えるテクニックは著者の本領発揮ともいうべきところ。今回も笑読させていただこう。B6版、200頁。(真浄寺発行、定価1200円+税)