オピニオン
2014年2月20日
次代に繋いでいくもの
「村や町の文化、伝統を語らなくなったら、その村、町はなくなる」と昔から言われます。
葬儀のあとのお斎のときに30人ほどが出席して、自己紹介と故人との関係をしゃべっていました。たいていの場合、そのあとに世間話で時間が過ぎてお開きとなります。
せっかく集まったのですから、故人の冥福を祈るのと同時に、故人の両親、祖父母の話や家、地域、地方の歴史を話題にしてもいいのではなかろうかと思います。
歴史を語ることは自分自身を知ることに他なりません。この頃は葬儀もホールで行われるものですから、行列がない。帳面に役割などを書かないから家の歴史がわからない。歴史が我々の都合で消えていくようで大変残念な気が致します。
さまざまな大切なものを次の世代に繋げていく貴重な「場」として、葬儀や法事を見直してみてはいかがでしょうか。
(京都第2部布教師会長・野村 智応)