2014年2月20日
インド旅行の誘いを受けたが、
インド旅行の誘いを受けたが、予定がとれず断念。過去に仏跡を辿ったことを想い出す。印象に残るのがまずは水だ。水道水が飲めないなどとはそれまで考えもしなかった▼次にトイレ。バス旅行でトイレ休憩は必須。しかし都会地でなければどこでも、取りあえず用を足すことができた。これについて、国内では苦い経験をしたことが想い出される▼自坊の団体参拝旅行の時だ。滞りなく日程をこなした帰途、後はバスで走るだけとの安心感から、車中でビールを配った。飲まない人の分まで勧められ、これも飲んだ▼間もなく添乗員に「次の休憩は何分後」と問う羽目になった。「あと20分くらいかね」と冷たい返事。居ても立ってもいられないとは、こんな時のためにある言葉だと思った▼目先のことに囚われず、先行きを考えて行動することが如何に大切か。身を以て知らされた出来事であった。トイレがある、安全な水がある。当たり前だと思っていることが、実は当たり前ではないのがこの世の姿だ。何気なく唱えているお題目も然り▼「智者に我義やぶられずば用いじとなり」とは『開目抄』の一節だが、法華経お題目・仏の真意を見究め、人と社会のあるべき姿を伝え広めようとの宗祖の強い思いがそこにある。ただ後ろをついて行くだけではなく、宗門、僧侶檀信徒ともに宗祖に習い、真実の姿を見定めて歩むことを、いま一度心すべきだ。(直)