日蓮宗新聞

2014年1月10日号

岡山県妙本寺が宗門史跡に

「西国弘通最初の法華道場」

妙本寺①岡山県吉備中央町妙本寺(平野信行住職)が「西国弘通最初の法華道場」として宗門史跡に指定され、昨年12月9日に認証式が東京都大田区の日蓮宗宗務院で行われた。日蓮聖人の信者、伊達朝義公が弘安4年(1281)に創建したと伝わる妙本寺は、後に「備前法華」の礎を築いた大覚大僧正の布教拠点となった。岡山県には霊跡寺院や由緒寺院などの本山がなく、宗門史跡含め初の指定となった。全国では21番目の宗門史跡。
今回の宗門史跡指定は、昨年5月に妙本寺からの申請を受け、9月に宗宝霊跡審議会(上田尚正審議委員長)が調査を実施。長い歴史や皆法華という地域において僧侶檀信徒が一体となり、法華信仰を護り続けていることや、「本堂(県指定文化財)や三十番神が祀られる番神堂(国指定重要文化財)など貴重な寺宝が伝来していること」などが認められたことによる。
妙本寺② 式では渡邊照敏宗務総長(当時)が認証を手渡し、「妙本寺を今まで護り通してきた先師に感謝を申し上げ、平野住職には宗門の宝という認識を一層持っていただき、護山を切に願います」と激励した。平野住職は「宗門史跡という名前の重さを感じます。歴代、また地域の人びとや檀信徒に護持されてきた732年の歴史の積み重ねで、本日の大きな一歩を踏み出すことができました。精進し、しっかりと後世につなげていきたい」と覚悟を表した。
護持会長の楢﨑眞一さん(82)は「地域まとめて法華信仰の〝皆法華〟という土地の特性があり、年に2回のお講(妙本講)を開いたり、川施餓鬼や50年続く総本山参りなど、妙本寺が中心となり法華の行事を行っている。日常のお寺の護持はもちろん、61世となる平野住職のお手伝いをし、こういった行事を絶やさないようにするのが私たちの役目」と述べ、指定を喜んだ。

※    ※

妙本寺=開基檀越の伊達朝義公は文永8年(1271)9月12日、龍口法難で斬首刑を免れた日蓮聖人に帰依したと伝えられる。後に備中国野山郷の地頭となり地域を治めた。弘安3年(1280)、寺院を建立するため、身延山に赴き日蓮聖人を招いたがかなわなかった。しかし、曼荼羅ご本尊一幅と「具足山妙本寺」の山号と寺号を賜わり、翌年に同寺を建立した。時が過ぎ、京都で活躍する日像上人を再び招いたが、これもかなわず、代わりに曼荼羅ご本尊一幅と、三十番神を授与された。正和元年(1312)、2代目の朝光公の代になり、日像上人に遣わされた大覚妙実上人の来山で念願を果たした。伊達氏の外護を受けた大覚上人は、妙本寺を拠点に教線を拡張し、「備前法華」の礎を築いた。
現在、日蓮聖人と朝義公が出会った9月12日と4月の同日には「妙本講」と呼ばれる大祭が開かれている。特に9月の大祭は法要3座や歌謡ショー、万灯練り供養、花火大会など朝から晩まで盛大に行われ、地域の風物詩となっている。

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